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放射線の有効活用!私たちの『食』を支える放射線!!

放射線と聞くと、人体に害をなす有害なものだと思われがちです。

また、「放射線の活用」と言うと、病院などで撮影するレントゲン撮影をまず思い浮かべるのではないでしょうか。

しかし放射線は、医療以外にも私たちが普段から口にしている『食』にも密接に結びつき活用されているのです。

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品種改良で利用される放射線

『食』への放射線の活用として「放射線育種」というものがあります。これは、放射線を植物に照射することで品種改良を行う技術です。

みなさん豆乳は飲まれますか? 昔から飲み続けている方は気づかれているかもしれませんが、以前に比べ現在の豆乳は、豆乳独特の青臭さがグッと減りました。

青臭さの原因は、ポキシゲナーゼという酵素によるものです。このポキシゲナーゼを取り除くのに放射線育種が使われています。放射線を大豆に照射することで大豆に突然変異を誘発させ、リポキシゲナーゼを取り除いた「いちひめ」という大豆が開発されたのです。

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もちろん、遺伝子組み換え大豆ではありません。

そのほかに、植物においても放射線育種が用いられており、風に強く倒れづらい「レイメイ」や、収穫量の多い「アキヒカリ」などの稲が有名です。

また、食卓にのぼることの多い純白のエノキタケも、褐色にならないよう放射線育種で改良されたものなのです。

放射線でジャガイモの発芽防止

買ってきたジャガイモを放置していたら、ジャガイモから芽が出てきたという経験のある方もいるかと思います。

芽が出ると、芽に栄養が吸収されるため栄養価が下がるだけでなく、ソラニンという毒が生成され、この毒が有害です。

そこで、厚生労働省の許可でジャガイモの発芽を防止のため、コバルト60のガンマ線照射が行われています(北海道のみ)。ジャガイモへのガンマ線照射は国際一般規格であるため、現在照射されている線量ならば、人体に影響がありません。

このコバルト60のガンマ線を照射することによって、発芽を防止するだけでなく、数ヶ月間の保存にも耐えられるようにもなります。

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ちなみに、食品衛生法では、照射されたジャガイモは包装容器に「照射されたジャガイモである」という表示が義務付けられています(バラ売りはないです)。もしスーパーでジャガイモを見る機会があれば、確認してみてはいかがでしょうか!

放射線で害虫駆除

放射線は害虫の駆除にも役立っています。「不妊虫放飼法」という方法です。「不妊虫放飼法」を行うことで野菜や果物に寄生するハエを根絶しています。

ハエは繁殖力が強く、駆除するには強力な殺虫剤を使用しなければなりません。そのため放射線を利用した「不妊虫放飼法」を行っているのです。

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人工的に繁殖させたハエのオスのさなぎに放射線を照射して不妊化を施します。そして、そのオスのハエを野外に放つとメスと交尾をしても、卵は孵化することがなくなるのです。

さいごに

放射線は人体に害のある怖いものだと思われがちですが、私たちの『食』を支えるありがたいものでもあるのです。

また、『食』だけでなく、精密機器などの検査においても、モノを壊すことなく内部を検査する「非破壊検査」として放射線は活用されています。

 

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