昨夜、妻がコード・ブルーというドラマを見ていたので一緒にみたのですが、救急医療を必要とする現場に最短時間で移動し、重篤患者を早期治療できるドクターヘリって素晴らしい取り組みだな! っと、あらためて関心しながら見ていました。
しかし、ドラマを見ている中で、いくつか疑問が湧いてきました。
ドクターヘリって個人でも呼べるのか?
料金はどれくらいかかるのか?
ドクターヘリのある病院ってどのくらいあるのか?
などなどです。そこで、少し調べてみました。
ドクターヘリとは?
ドクターヘリ(ドクターヘリコプター)とは、単に患者をヘリコプターに乗せて搬送するというだけのものではありません。
災害現場や事故現場など、救急処置を必要とする重篤な患者が発生した現場に医師・看護師を送り込むことを目的としたものです。
ドクターヘリには、ケガの救急処置を行なう消毒薬はもちろんのこと、エコー(超音波診断装置)や人工呼吸器など数多くの医療器具・機器が搭載されています。
まさに"空飛ぶ救急治療室"です。
ドクターヘリのメリット/弱点
ドクターヘリは、阪神・淡路大震災の際の救護活動を契機に、本格的に導入が始まったそうです。
ドクターヘリの最たるメリットは、交通状況や地形に左右されず、飛行して現場に駆けつけることができることです。その時速は、なんと最大で約250km!
救急救命医と看護師が最速で現場に駆けつけることで、いち早く患者に初期治療を施すことができます。また、患者を医療施設まで高速で搬送することが可能になります。
ドクターヘリの弱点としては、万が一、ヘリコプターが送電線や高いビルに衝突するなどして、二次災害の事故を起こす可能性があることから、日中しか出動できないという点です。
ドクターヘリを呼ぶといくら料金がかかるの?
基本的には、救急車と同じくドクターヘリに乗ること自体にお金はかからず、交通費の負担はありません。保険診療で定められた往診料と治療にかかった金額は請求されます。
しかし、私の調べたなかには、ドクターヘリに乗り料金を請求されたという方もいるようです。もしかしたら、料金を請求されるケースなどもあるのかもしれません。
ドクターヘリはどうやって呼ぶの?
ドクターヘリは、救急車のように一般の人が直接呼ぶことはできません。一般市民より119番通報を受けた消防本部が、患者の様態や傷病の程度に応じてドクターヘリを要請します。
【ドクターヘリ出動基準】
- 出血のうち、顔面蒼白や呼吸困難の様相を呈するもの
- 意識障害(JCS3桁以上)
- ショック(血圧低下、脈拍上昇)
- 心臓・肺の激痛(胸痛)
- 痙攣・麻痺
- 事故で車内などに閉じこめられ、救出までに20分以上を要する場合、高所からの墜落
- 明確な重症患者、または負傷者が2人以上いる場合
- 重症出血(創部、消化管、生殖器)
- 急性中毒
- 重症熱傷(BSA20%以上)
- 電撃症・落雷
- 溺水
- 歩行者が車などにより、時速30km以上の速度ではねられた場合または3m以上はね飛ばされた場合
- その他、生命に関わると疑う理由がある時
- 重症患者の病院間搬送
ドクターヘリ導入病院 都道府県一覧
北海道 |
・旭川赤十字病院 |
・市立函館病院 | |
・市立釧路総合病院 | |
・手稲渓仁会病院 | |
青森県 | ・青森県立中央病院 |
・八戸市立市民病院 | |
岩手県 | ・岩手医科大学附属病院 |
宮城県 | ・独立行政法人国立病院機構 仙台医療センター |
・東北大学病院 | |
秋田県 | ・秋田赤十字病院 |
山形県 | ・山形県立中央病院 |
福島県 | ・福島県立医科大学附属病院 |
茨城県 | ・独立行政法人国立病院機構 水戸医療センター |
・水戸済生会総合病院 | |
栃木県 | ・獨協医科大学病院 |
群馬県 | ・前橋赤十字病院 |
埼玉県 | ・埼玉医科大学総合医療センター |
千葉県 | ・国保直営総合病院君津中央病院 |
・日本医科大学千葉北総病院 | |
東京都 | なし |
神奈川県 | ・東海大学医学部付属病院 |
新潟県 | ・長岡赤十字病院 |
・新潟大学医歯学総合病院 | |
富山県 | ・富山県立中央病院 |
石川県 | なし |
福井県 | なし |
山梨県 | ・山梨県立病院機構山梨県立中央病院救命救急センター |
長野県 | ・佐久総合病院佐久医療センター |
・信州大学医学部附属病院 | |
岐阜県 | ・岐阜大学医学部附属病院 |
静岡県 | ・順天堂大学医学部附属静岡病院 |
・聖隷三方原病院 | |
愛知県 | ・愛知医科大学病院 |
三重県 | ・伊勢赤十字病院 |
・三重大学医学部附属病院 | |
滋賀県 | ・済生会滋賀県病院 |
京都府 | なし |
大阪府 | ・大阪大学医学部附属病院 |
兵庫県 | ・公立豊岡病院 |
・兵庫県立加古川医療センター | |
・製鉄記念広畑病院 | |
奈良県 | ・奈良県立医科大学附属病院 |
和歌山県 | ・和歌山県立医科大学附属病院 |
鳥取県 | なし |
岡山県 | ・川崎医科大学附属病院 |
広島県 | ・広島大学病院 |
山口県 | ・山口大学医学部附属病院 |
徳島県 | ・徳島県立中央病院 |
香川県 | なし |
愛媛県 | ・愛媛県立中央病院 |
高知県 | ・高知県・高知市病院企業団立高知医療センター |
福岡県 | ・久留米大学病院 |
佐賀県 | ・佐賀県医療センター好生館 |
・佐賀大学医学部附属病院 | |
長崎県 | ・独立行政法人国立病院機構 長崎医療センター |
熊本県 | ・熊本赤十字病院 |
大分県 | ・大分大学医学部附属病院 |
宮崎県 | ・宮崎大学医学部附属病院 |
鹿児島県 | ・鹿児島市立病院 |
・県立大島病院 | |
沖縄県 | ・浦添総合病院 |
全国で最も病院が数多くある東京都が導入していないのは、意外ですね。
まとめ
ドクターヘリは、1機の運行費用が年平均1億7千万円かかるらしく、各都道府県の財政負担が大きいという問題があります。しかし、救急医療としてのドクターヘリの有用性は誰もが知るとこです。
今後も、ドクターヘリの運用方法なども含め、より一層の有効活用を期待したいです。