WWF(世界自然保護基金)が、2016年の1年間で調査したメコン川流域での生物調査の結果報告とし、115種の新種を発見したと発表しました。
その内訳は、哺乳類3種、魚類2種、爬虫類11種、両生類11種、植物88種です。
1997年からはじまったメコン川流域での調査ですが、これまでに発見された新種は、実に2,524種にも登ります。
しかし、今回新たに見つかった新種の多くは、開発による環境破壊や密猟などにより、すでに絶滅の危機に瀕しているといいます。そのためWWFでは、その早急な保全の取り組みが必要であるということを強く訴えています。
今回の発表では115種の新種が発見されましたが、その多くは生息地が分断されたり、消失したりなどしており、絶滅の危機に瀕しています。
その理由として、昨今、メコン川流域で進む急速な経済成長と人口の増加、それによる道路やダムなどの乱立が原因である、とWWFでは指摘しています。
実際にインドシナ半島では、道路、ダムといったインフラだけでなく、大規模な農園の開拓や、紙・パルプを生産するための植林地の拡大、違法伐採の影響で、多くの森林が失われています。
また現在でも、204件ものダムの建設計画が持ち上がっているようです。
環境に対し充分な対策が行われないまま、204ものダムが建設されれば、さらに多くの自然が失われ、産卵のために川を遡上する魚類や水生哺乳類など多くの種に深刻な影響が及びます。
さらに、希少生物の密猟や違法取引も横行しているようです。今回の調査報告には、「地域のマーケットで新種のカメが売られていた」という報告もありました。
これらのことから、環境の保全、違法取引の監視、法整備など、早急に多角的な取り組みが求められています。
また、無計画な建設や開拓は、野生生物だけでなく人間にも影響を及ぼします。
メコン川の流域には、6,000万人ともいわれる多くの人々が住んでいます。こうした環境に配慮しない開発が進めば、そこに住む人たちの暮らしの基盤もいずれ脅かされることになるでしょう。
さいごに
残念なことに、人は、いなくなって、はじめてその大切さに気づくんですよね。
種が絶滅してからでは遅いのです。早急な対策を切に願います。
それにしても、1997年からの調査で2,524種もの新種が発見されていたんですね!
これは平均すると、1週間に2種が新たに発見されてきたことになります。
いまだに、こんなにも新種が発見されとは、世界ってほんとに広いんですね!