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VR技術を用いた遠隔医療教育システム!肩こり・腰痛治療の「筋膜リリース注射」を全国に!

2017年9月30日(土)から10月1日(日)にて第21回 日本遠隔医療学会学術大会(JTTA2017)が開催されました。

JTTA2017は、通信技術を活用した健康増進、医療、介護に関する学術集会です。

本学術集会では、ドローンやIoT、人工知能(AI)など、最新技術の遠隔医療への応用に関して、様々な講演や発表、展示が行われましたが、中でも『VR技術を用いた遠隔医療教育システム』が大きな注目を集めました。

同システムは、木村ペインクリニックの院長木村裕明氏をはじめ同クリニック関係者が全国の医療機関や施術所に対して行う、筋膜性疼痛症候群(Myofascial Pain Syndrome:以下、MPS)の有効な治療法『筋膜リリース注射』の遠隔教育に使用されます。

MPS(筋膜性疼痛症候群)とは

国民病の1つである肩こりですが、自覚症状がある日本人は全国に約1,179万人いるといわれています。

肩こりは、日常生活で生じる筋膜のねじれや、無理な姿勢を続けることによる筋肉への負担によって筋肉が損傷することで起こります

通常であれば数日で自己回復します。しかし、同じ負荷が繰り返されたり、血行が悪い状態が続くと、自己回復ができなくなります。

最近の研究では、肩こりの原因の多くが筋肉を覆う「筋膜」が“硬くなる”“くっついて皺になる”ことで起こることがわかってきました。このような状態により引き起こす痛みを「MPS」と呼びます。

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『筋膜リリース注射』とは

現時点において、このMPSに有効な医薬品はありません。しかし、その中でも最も有効な治療とされているのが『筋膜リリース注射』です。

『筋膜リリース注射』とは、硬くなり癒着した筋膜に体液と同じ成分である生理食塩水を注入し、筋膜を剝がし筋膜性疼痛を改善する方法です。筋膜とは筋肉を包む膜のことを指しますが、慢性的な肩・首のこり、腰痛などは、この筋膜が凝り固まった状態なのです。

筋膜リリース注射は、超音波診断装置で患部をリアルタイムで見ながら注射を行います。エコー画像を見ながら行うことで、筋膜の重要な部分に注射ができるため、痛みが発生している箇所(トリガーポイント)に確実にリーチすることができます。

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遠隔医療教育システム概要

本システムでは、VRゴーグル『IDEALENS K2+(アイデアレンズ ケーツープラス)』を使用します。

実際に木村ペインクリニック関係者が施術する様子を写した高画質の映像をリアルタイムで「IDEALENS K2+」に配信します。VR技術を用いてるため、教育を受ける側は遠隔地にいながらにして、施術現場を高い臨場感をもちながら見学できます。

そのほか、「IDEALENS K2+」に搭載されている機能として、「筋膜リリース注射」時において必要な“エコー画像の送信機能”“映像を視聴しながら対話ができる機能”“簡単な操作で視点を変えられる機能”など、「筋膜リリース注射」の技術習得に役立つ様々な機能をが搭載されています。

「IDEALENS K2+ (アイデアレンズ K2 プラス) 」 製品概要

  • 商品名:IDEALENS K2+ (アイデアレンズ ケーツー プラス)
  • 外形寸法:HMD本体部分 (L)183mm×(W)129mm×(H)105mm
  • 質量:HMD本体部分 約295g
  • ディスプレイ方式 :AMOLED
  • ディスプレイ解像度:2,560 × 1,440
  • 視野角:約120°
  • リフレッシュレート:最高75Hz
  • 遅延:17ms
  • 搭載センサ:6軸検出センサ(3軸ジャイロ・3軸加速度)、3軸地磁気センサ、光距離センサ、温度センサ
  • 各センサ応答時間:≤2ms
  • プロセッサ:CPU/ Exynos 7420 GPU/ Mali-T760 MP8
  • メモリー:ROM/ 32GB、RAM/3GB LPDDR3
  • microSDカード:microSD (最大128G対応)
  • Wi-Fi:2.4G 802.11 a/b/g/n
  • Bluetooth:4.0、3.0、2.0
  • 接続端子:micro USB 2.0端子、 3.5mm ステレオヘッドフォン端子
  • 充電:約3.5時間(2A急速充電対応)
  • 電池消費時間:約2.5~6時間(コンテンツによる)
  • 価格:オープン価格

まとめ

この「筋膜リリース注射」の技術が多くの医師に広まれば、全国のMPSに苦しむ患者にとってはとてもありがたいことです。

今後このシステムがより広く普及して、1人でも多くの肩こりや腰痛に苦しんでいる患者を痛みから救ってくれることを期待します。