怪我をして、傷口を縫合する手術を受けた方もいるかと思います。
術後、必ず抜糸をしますが、この抜糸、正しい時期に糸を抜かないと、むしろ感染症などの原因となります。
適切な時期での抜糸の大切さ
感染症のリスク
怪我をして切れた傷の左右を縫い合わせて治療をすることを外科縫合といいます。
大抵、傷口が1cm以上切れているのであれば、傷口を縫合糸で縫い合わせます。
傷口を空けたままにしておくと、傷口から雑菌やバクテリアが体内に入り込み、感染症を引き起こすリスクが高くなるからです。
そして、縫合後は必ず抜糸をします。
しかし、いつでも適当に糸を抜いて良いわけではありません。
なぜならば、前述したように傷口からの感染症を引き起こす危険があるためです。
感染症から傷口を守るために縫合しているのに、適切なタイミングで抜糸しないと感染症のリスクがあるってのは変な話かもしれません。
しかし、傷口を縫った糸は稀に皮膚の中に埋もれてしまうことがあるからです。
糸が皮膚に埋もれると聞くと怖くなりますが、これは、まぶたの縫合手術を受けた患者によく見られるようです。
糸が皮膚の中に埋もれると、縫合糸の周囲の組織が形成されてしまうため、麻酔をして縫合糸を掘りださなければいけなくなってしまいます。
傷跡に影響する
適切な時期に抜糸をするべき理由はほかにもあります。
それは、傷跡の見た目の問題です。
もちろん、見た目だけの問題のため、命に関わることではありません。
しかし、なるべく縫い跡が目絶たない方がいいですよね!
傷口の場所にもよって異なりますが、縫合後、4日~14日ほど経過すると、縫い目が消えずに傷跡がずっと残ってしまう可能性があるのです。
抜糸をせず、長く放置すればするだけ、傷跡は醜くなります。
傷口によって医師は縫合(糸)を変える
顔などは、極力傷跡が残らないようにするため、多くの医師は通常の縫合糸は使用することを避けます。
代わりに、シアノアクリレートと呼ばれる粘着力のあるノリを使用することがあります。
これは、時間の経過とともに、自然になくなるノリです。
また縫合糸には、時間が経つと溶けて亡くなるという糸もあります。
この糸は、生分解性の有機体でできているため、体内で溶けるように作られています。
この溶ける糸は、大きな怪我や手術などで、患者の体内を縫合する際に用いられることが多いです。
なぜならば、抜糸のためだけに再度開腹手術をして患者の身体を切る必要をなくすためです。
まとめ
私の知人で、縫った傷口の糸を自分で抜いてしまい、今でもクッキリと目立つ傷跡が残っている人がいます。
大抵の人は自分で抜こうなどとは思わないとは思いますが、感染症を避けるため、また傷跡を極力の残さないようにするため、抜糸は医師の指導に従い、適切なタイミングで行うようにしましょう。